補陀洛山寺


 

補陀洛山寺は、那智勝浦町浜の宮の国道42号線交差点を、那智山に向かう県道の傍らに「渚の宮」と並んで建っています。古来、那智湾の南海の彼方には観世音菩薩の浄土である補陀洛山があるとされ、その観音浄土につながるお寺ということが寺名の由来です。

平安時代から江戸時代まで、この補陀洛山寺の住職が六十歳になると生きながら小舟に乗り、補陀洛山を目指して船出する「補陀洛渡海」が行なわれていました。
己の身を捨てて民衆を救済しようとした「捨身行」のひとつです。この渡海上人につながり、人々は現世利益・来世の安穏を祈りました。