伏拝王
平安時代の女流歌人・和泉式部がこの伏拝王子まで来たとき、にわ かに月の障りが訪れ、「晴れやらぬ 身の浮雲の たなびきて 月 のさわりと なるぞ悲しき」と嘆き詠んだその夜の夢枕に、熊野権 現が現れ「もろともに 塵にまじわる 神なれば 月の障りの 何 か苦しき」とお告げがあり、式部は、浄不浄を問わず受け入れてく れる広大無辺な熊野の神に感謝しながら、無事参詣に赴いたという ことです。