平維盛の出家 |
屋島の平氏の中にいて、平維盛は都に残した妻子のことを思う余
りに、重景・石童丸・舎人武里とともに、陣を抜け出したのですが、
都には源氏の軍がひしめいており、もし捕まれば生き恥を晒すと、
高野山に登り滝口入道の庵を訪ね、話し込む内に維盛は、この現世
の迷いから逃れたいと、智覚上人を師に、髪を剃り出家したのです
重景・石童丸・武里の三人も同じく出家しようとするのですが、維
盛は武里には、都に残る妻子や、屋島の平氏に事の次第を伝えて欲
しいと、出家を許しませんでした。
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