上皇の参拝
  この図は、那智熊野権現の御本殿の前での参拝の様子です。 那智の大神から超自然的な力を付与された高僧が、34回も熊野詣をした 後白河上皇に加持をしているところです。那智の大滝の御利益に 延命長寿がありますが、歴代上皇の中で熊野詣をした上皇は、 60歳、70歳の長寿であり、熊野詣をなさらない上皇方は30歳前後で亡くなっています。 当時,4,50歳ぐらいが平均寿命であると考えると、大変な長寿だったのです。 高僧の横の大きな石はカラス石です。熊野のお使いであるカラスは、 ヤタガラスという3本足のカラスで、神武天皇を大和へ案内した後、 このカラス石に姿を隠したと伝えられています。