大雲取地蔵
大雲取を那智山より行けば、舟見峠を越えて越前峠に至る道筋を辿 れば、地蔵堂があらわれます。狭い御堂の中に三十三体の地蔵が、 往時の賑わいを忘れ立ち並んでいるのです。 那智山から大雲取を小口の集落に向かう途中、舟見峠を下った所に、 一宇の御堂が建っています。三十三体の地蔵を安置した地蔵堂は、 幾たびか立て替えられていますが、宝永四年(1707)寄進の地 蔵は、古道を行き交う人々の祈りを、見守ってきたのです。今は道 行く人もなく、静かに並んでいます。