燃え盛る60キロの大松明12体が、那智大瀧の石段参道を円を描きながら、
登り降りして、12の扇神輿を浄めるのが「那智の火祭り」・「扇祭り」
と言われる熊野那智大社の例大祭であります。
那智の火祭り・扇祭りといい、古くは扇会式と言われ、
熊野那智大社の例大祭の中の多くの行事の中の一つです。
毎年七月十四日に行われ、午前中の、熊野那智大社[本社]での
神事・那智の田楽・大和舞等の奉納が行われたあと、午後、
熊野の十二の神々が移った十二基の扇御輿と十二体の大松明が、
那智の瀧[別宮=飛瀧神社]に向け出発します。
途中の伏拝での神事の後、那智の大瀧にて大松明に火をつけ
石段を円を描きながら登り降りします。そして扇御輿を浄めつつ、
扇神輿と共に広場に下ります。広場まで下りると、松明は消されますが、
火で浄められた扇御輿は、祭場に並べられ、さらにお瀧の飛沫で浄められます。
こうして1年に1度熊野の神々は、元宮である那智の滝に渡り、
力強くよみがえって本社に還るのです。
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