陰陽の滝



 

原生林の中に忽然と現れる瀧、那智48瀧の一つ奈珂悟の瀧は、その姿から陰陽の瀧と言われています。きれいな滝壷を持つこの瀧は、周りを取り囲む木々の緑を水面にうつし、静かに流れています。

那智山中には、幾つかの谷が那智川に注ぎ、いくつもの瀧が掛かっています。一番東の流れを、大渓流(おおたにながれ)といい、一番下流に掛かる瀧を奈珂悟の瀧と言い、陰陽の瀧ともいいます。この瀧では、今でも修験の僧が、瀧に打たれ修行に勤める姿を目にすることができます。厳寒の薄氷の中を水面を揺らしながら修行する姿は、瀧の美しさの中に自然の厳しさ優しさを感じることができます。