滝尻王子
熊野古道九十九王子のなかで、もっとも重要で格式の高かった五 体王子のひとつがこの滝尻王子です。京から熊野を目指して歩いて きた人々にとって、ここが熊野の入り口、ここからが神々の土地だ ったのです。 王子のそばを流れる岩田川では「禊ぎ(みそぎ)」 を行うのが常であり、ひんぱんに熊野を訪れた後鳥羽上皇はこの王 子で和歌の会を催しました。その和歌をしたためた紙が「熊野懐紙 (くまのかいし)」です。